開業時は経営計画書の作成、資金調達など、開業後も税務はもちろんのこと、健全な経営ができているか、無駄な部分はないかなど、心強い相談相手になるのが会計事務所です。
ドクターは医療の専門家ですが税務や資金調達、経営など「お金のプロ」ではありません。その点、お金のことは税理士や会計士など「お金のプロ」に任せた方が安心です。
会計事務所の中には開業後の顧問契約を結ぶことを条件に無料で開業サポートをしているところもあります。
それぞれのドクターとの相性もあると思いますが、目安となる会計事務所選びのポイントをご紹介します。
医療機関を扱った経験実績が豊富なこと
医療機関の開業及び経営は一般の会社に比べて特有な部分が数多くあります。それらに対して経験(いわば症例のようなもの)を数多く持ち、正確かつ迅速に対応できることが望ましいでしょう。
理想を言えば標榜する診療科の実績(関与先)があれば尚可です。
資金調達のノウハウを持っていること
開業にあたっては、資金をどう調達するのかが非常に重要です。
自己資金や親族からの借り入れなどもありますが、多くの場合、銀行などの金融機関から融資を受けることになります。
その際、高い金利で短い返済期間ですと資金ショートを起こすリスクもありますので、より有利な金利や返済期間などの条件を金融機関と交渉できるノウハウがあることが重要です。
開業後も借り換えなどに関し、提案できることが求められます。
税務・会計に加えて、労務にも通じていること
医院経営ではスタッフの力を活かすことも成功の重要な要素です。
スタッフが気持ちよく働ける、あるいは規律を保つというような環境をつくることが大切です。
その基本として、雇用契約書や就業規則の作成などが必要ですが、こうしたことに関する経験があるドクターは少ないでしょう。
ですから、労務に関してもサポートしてもらえることが大切です。
サービス・料金体系が明確なこと
税務や労務などのサービスの範囲およびそれに対する報酬(料金)が明確に提示されていることが大切です。できる事とできない事を最初に明確にしておかないと、後々トラブルになる可能性があります。
ドクターのライフサイクルを踏まえた視点があること
開業時に経営計画を立案する際、ドクターのライフサイクル、たとえば、お子さんの医学部進学やご両親の介護、分院の立ち上げや引退、承継などに際しての必要な資金も視野に入れたものであると将来的なビジョンが明確になります。
短期的なものだけではなく、中長期的な視点も提案できることが望ましいでしょう。