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3. 医療開業における広告のポイント

医院開業時に注力したいのが「広告戦略」です。
いくら腕のいいドクターがいて医療機器が整っていても、存在を知られていなければ患者さんは来ません。
口コミなどで徐々に広まっていくことはありますが、開業当初に集患が見込めないと資金的に厳しい状況になりかねません。
その点「メディカルプラザ」は看板や店舗でのPRによる効果も期待できます。

その一方、人は新しい所に行くときに何かきっかけや後押しになるものがあると動きやすくなるものです。
そこで、様々な手段で広告や情報を伝える、発信することを考えてみることが大切です。

開業時の広告としては新聞の折り込みチラシやポスティング、野立て看板などがあります。
また、開業時のみではなく恒常的な広告としては電柱広告、駅看板などがあります。
バス停が近くにあればバスの車内放送という方法もあります。
これらはどれも一長一短がありますから、立地やコスト、診療圏の状況などを鑑みて利用していくのがよいでしょう。

そしてもうひとつ重要な広告があります。
それは「ホームページ」です。
現在は、あらかじめホームページを検索し、医院選びをして受診する患者さんが非常に多くなってきています。
このホームページをより有効に活用することが開業時の集患の非常に重要な「広告戦略」となります。
以下、効果的なホームページの制作・運用についてご紹介します。

ホームページの機能と制作のタイミング

患者さんがクリニックを検索する場合、二通り考えられます。これから先生が開業するクリニックを「全く知らない場合」とチラシや看板でクリニックの名前等は「知っている場合」です。

「知らない場合」は基本的に「場所+科目」「駅名+病名」「市区町村名+検査方法」などのキーワードを打ち込んで検索します。
つまり、自分が受けたい治療をしてくれるクリニックが近くにあるか、という情報を伝える機能をホームページは持っています。
その際、グーグルやヤフーなどの検索エンジンで、上位に表示されなければ集患につながりません。

「知っている場合」は、クリニック名で検索したり、チラシ等にあるアドレスやQRコード等によってホームページにやってきます。
その目的は、新しくできたクリニックに対して、
「どんなクリニックなのだろう」
「どんな先生なのだろう」
「どんな検査や治療をしてもらえるのだろう」
「いま通っているクリニックより、いい治療をしてもらえるだろうか」
といった興味を持ち、より情報を得たいというものです。
この患者さんの欲求に応えるのもホームページの大切な役割です。

そのため、チラシや看板が出る前にはすでに何らかのホームページができていないと集患のタイミングを大きく逃すことになってしまいます。
ホームページは公開してすぐに検索結果で上位に上がりませんので、余裕をもってホームページが公開されていることが望ましいといえます。

患者さんに「届く」ホームページ

ホームページ制作にあたってはまずどんな医療を提供するのか、どんな患者さんをターゲットにするのか、というクリニック自体のコンセプトが決まっている必要があります。
このコンセプトはドクターがどんな医療を提供したいのかということと、経営的な側面を考えてのことになります。
そのコンセプトをいかに効果的に伝えていくか、ということがホームページ制作において重要です。

ホームページ全体のデザインや色遣いにもコンセプトを反映させ、温かな、アットホームな雰囲気を出すのか、専門性の高さを強調したイメージにするのか、等々を決めて制作していきます。
具体的にメッセージを伝えていくことも重要で、そのために最も効果的なのは院長自らが思いを伝える院長の紹介ページでしょう。

このページはトップページに次いで見られることが多く、どんな先生に診てもらえるかは患者さんが共通して知りたいことです。
来院する患者さんの多くがチェックしていると考える方がよいでしょう。
ここではドクターのプロフィールとともに、思い、伝えたいことがしっかりと表現され、患者さんに訴求することが大切です。

またできる限り1ページのテーマを1つに絞り込むことも重要です。
そのテーマは病名や症状、検査方法ということになります。
そうすることで、そのページをGoogleが認識しやすくなり、結果的にそのページ自体が特定のキーワード(例えば、地域名+科目や病名、検査方法など)で上位に直接検索結果に表示されやすくなります。

なお、注意点としては、テキストが他のサイトのコピペではなく、オリジナルの文面にする必要があるということです。

SEO対策とWEB広告手法

ある特定のキーワードで検索上位に表示されるにはSEO対策が重要になります。
SEOとはSearch Engine Optimization(検索エンジン最適化)の略称であり、SEO対策とは検索エンジン(主にGoogle)にコンテンツ(ホームページの内容)が評価されることで、検索した際により上位に表示されるための様々な手法を指します。

SEO対策の目標は一人でも多くの患者さんが検索することで先生のクリニックのホームページに辿り着き、最終的に受診に至ることです。
SEO対策にはいくつかの手法がありますが、そのひとつに「キーワード対策」があります。

例えば、内科のクリニックの場合「地名+内科」という検索で上位に来ることが目標になります。
しかし内科は数が多く、それだけではなかなか難しいものがあります。
もし、先生が糖尿病専門医や内分泌代謝専門医等を取得しているならば「糖尿病」や「甲状腺」などをキーワードに加えることで糖尿病患者さんや甲状腺疾患の患者さんをターゲットとして訴求するのも効果的です。また消化器内科を標榜して内視鏡検査を行う場合は「苦痛の少ない胃カメラ」などをキーワードとして設定することで、そうした検査を望む患者さんが検索した際に上位に表示される可能性があります。

SEO対策はキーワードを盛り込み、充実した内容のホームページを作る必要があり、検索上位に来るまでに時間や手間がかかります。
そのため開業時に短期間でホームページのアクセスを増やしたい場合は、SEO対策に加えて、各種のWEB広告手法を使うことも考えてもよいでしょう。

広告手法には以下のようなものがあります。

  • リスティング広告
  • ポータルサイトへの登録
  • Facebook、Twitter、LINEなどのSNSの利用
  • 有料サイトの登録
  • 広告バナーの出稿

この中でリスティング広告はキーワードによる検索結果に表示されるもので、検索者がクリックすると広告出稿者に課金されるシステムになっています。
運用の上限金額を決めることができ、クリック数がその金額に到達したら、広告は表示されなくなります。

WEBを利用した広告は、複雑な面もあり、クリニックによって、どんな方法がよいのかは変わってきます。そのため先生の貴重な時間や手間を考えれば、医療関係に豊富な実績を持つ広告会社に委託するほうがコスト的にもよいでしょう。

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